【参院選コラム】改憲勢力、9条改正に踏みこむか 有権者は投票で意思を示そう:東京新聞 TOKYO Web
日本記者クラブ主催の討論会に出席した与野党の9党首。憲法などで議論を交わした=6月21日、東京・内幸町
「真正面から9条改正でやってくるんじゃないですか」。参院選の最中に会った護憲の立場の野党関係者が警戒感を持って語った言葉が気になった。岸田文雄首相も「(改憲勢力が)内容で結集できるよう議論を進めていく」と訴える。参院選後、改憲論議はどうなるのだろうか。戦後日本の平和主義の大枠を定めてきた9条の扱いが、ヤマ場を迎つつある。
▽ウクライナ侵攻で風向き変化
今回の参院選(10日投開票)は「憲法改正の是非」が主要な争点に挙げられている。衆院は「改憲勢力」に位置付けられる自民党と日本維新の会、公明党、国民民主党の4党が、国会での改憲発議に必要な3分の2以上の議席を占めている。
参院も6月22日の公示前勢力でぎりぎり3分の2を超えていた。今回の選挙でこのラインを確かなものにすれば、改憲を政治日程に乗せる動きが具体化しそうだ。与野党ともに憲法を巡る訴えを強めるのは、こうした背景がある。
岸田政権では通常国会の会期中、衆院でほぼ毎週、憲法審査会が開かれた。選挙情勢を踏まえると、参院選後は当面、落ち着いた政治環境にもなるとみられる。改憲勢力が好機と受け止めるとは当然だ。
こうした中、自民党はどのような改憲原案を検討してくるのだろうか。
自民党は安倍政権下で、緊急事態条項の創設などと並んで、9条への自衛隊明記を盛り込んだ「改憲4項目」をまとめた。
だが党内では、9条改正はハードルが高いとして、緊急事態条項の中の「国会議員の任期延長ならやりやすいのでは」(党幹部)と、9条回避を唱える議員も少なくなかった。
風向きが変わったのは、今年2月からのロシアによるウクライナ侵攻からだ。「防衛力の抜本的強化」(首相)が喫緊の課題となる中で、9条改正に再び焦点が当たってきた。
▽足並みそろえる自・維・公
首相は5月3日、改憲推進派の大会で、9条改正について自民党改憲案4項目に関し「早期実現が求められる」とビデオメッセージを寄せた。
維新は5月18日、戦争放棄を定めた9条1項、戦力不保持と国の交戦権否定をうたった2項を残したまま「9条の2」を新設し自衛隊を明記する点で、自民党案と共通する「条文イメージ」を発表した。
あまり注目されなかったが、公明党も踏み込んだ。5月の衆院憲法審で北側一雄副代表が、首相や内閣の職務を規定した72、73条に自衛隊を明記するという、これまでにない具体的な案を示したのだ。
公明党は参院選公約でも、従来の「慎重に議論」から「検討を進める」へと表現を進めた。9条明記で自民と維新、公明は足並みをそろえつつあると言っていい。
▽憲法の理念実現が先
こうした動きに、主要野党は反対の論陣を張る。立憲民主党の西村智奈美幹事長と、共産党の小池晃書記局長は、6月26日のNHK討論番組で、生活や暮らしで実現されていない憲法の理念があるとして、その実現こそが求められると歩調を合わせた。社民党の福島瑞穂党首は護憲を訴えて声をからす。
筆者は先日、「立憲デモクラシーの会」に加わる杉田敦法政大教授(政治理論)に話を聞く機会があった。改憲は国論を二分するため、相当な政治的エネルギーが必要となり、政治の空白を招いてしまう。内外の重要課題が山積している中で、そのような無責任なことをするべきではない、という話だった。
だが、改憲への動きは参院選後を見据え、強まりつつあるように見える。
自民党の茂木敏充幹事長は同じNHK番組で「できるだけ早いタイミングで改憲原案を国会で可決したい」と述べ、選挙後に主要政党間で改憲への日程感の共有を進める考えを示した。
維新の藤田文武幹事長も、21年衆院選で議席を伸ばしたことが、改憲論議を進めるきっかけになったとして、早期改憲への意欲を強調した。
ここから浮かぶのは、秋の臨時国会以降、自民、維新両党が中心となって改憲原案の作成を進め、来年の通常国会で衆参両院の憲法審査会に提出し、議論を進める日程感だ。
自民党幹部は「最速で通常国会の会期末には発議もあり得る」と話す。
このような展開になった時に、われわれはどのように受け止めればいいのか。ウクライナでの戦争は続いており、防衛力を確かなものにするためにも、自衛隊の明記は必要だと考えるのか。それとも、社会保障や教育の充実など、もっとやるべきことはあるとして、憲法理念の実現を求めていくのか。
日本の未来を決めるのは一人一人の有権者だ。どのような未来がいいのか、しっかりと頭に描いて10日の投票で意思を示そう。(共同通信編集委員兼論説委員=内田恭司)
アンバサダーに村重杏奈・前田裕二が就任!サウンドプロデューサーはHoneyWorks!「JDOL AUDITION supported by TIF 」オーディション開催決定!
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「TOKYO IDOL FESTIVAL 2022 supported by にしたんクリニック」の ステージ「SMILE GARDEN」にて最終合格者のデビュー確約!本日5月2日から、株式会社ツインプラネット(本社:東京都渋谷区、代表取締役:矢嶋 健二)、株式会社インクストゥエンター(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長 田村優)、SHOWROOM株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:前田 裕二)、「TOKYO IDOL FESTIVAL 2022」の合同企画である『JDOL AUDITION supported by TIF』オーディションを開催し、応募を開始いたします。『JDOL AUDITION supported by TIF...
フィンランド、NATO排除せず ロシア侵攻「安全保障変えた」:東京新聞 TOKYO Web
インタビューに答えるフィンランドのハービスト外相=1日、ヘルシンキ(共同)
【ヘルシンキ共同】北大西洋条約機構(NATO)に加盟せず中立を志向してきたフィンランドのハービスト外相が2日までに、共同通信と単独会見し、隣接するロシアによるウクライナ侵攻が「安全保障の展望を完全に変えた」と指摘した。NATO加盟の是非については「議会に委ねる」と述べ選択肢として排除せず、ロシアを強くけん制した。国民の過半数が加盟を支持しているとも語った。
ロシアはNATO加盟は「軍事的、政治的に重大な結果を招く」と警告。約1300キロにわたり国境を接するフィンランドが加盟すればロシアが強く反発するのは必至だ。
岸田首相会見 高齢の死者増加で「おわび」、非核三原則は「検討し続けることは大事」 :東京新聞 TOKYO Web
記者会見する岸田文雄首相=3日、首相官邸で(代表撮影)
岸田文雄首相は3日の記者会見で、新型コロナウイルスのオミクロン株による感染の「第6波」で高齢者らの死者が増えていることに関して「政治は結果責任なのでおわび申し上げなければいけない」と陳謝した。本紙が「3回目のワクチン接種が遅れ、高齢者らが亡くなっていることへの政治的責任をどう考えるか」と質問したことに答えた。
首相は「基礎疾患がありコロナで重症の症状を示す前に亡くなる方がおり、重く受け止めなければならない」と述べた。本紙がワクチンの3回目接種について「計画通りに進んでいない」とただしたのに対しては、昨年10~11月まで1、2回目の接種が継続していたことを挙げて「2回目接種から(3回目接種まで)一定の間隔を空けなければならない」と説明した。
首相は2月末までに約3700万人分のワクチンを全国に配布し、接種体制を整備したことを強調。「できるだけ多くの方々に接種に足を運んでもらうため、有効性や安全性を説明する努力をする」と話した。
3回目接種を終えたのは政府の3日公表値で全人口の22.2%にとどまり、先進7カ国(G7)で最低。首相は「米国は3割にいっておらず、英国、フランス、ドイツも5割前後で各国とも苦戦している」と釈明した。
ロシアのウクライナ侵攻を巡って「非核三原則を堅持して国民の命を守れるのか」との質問が出た際には「状況の変化を前にして、何もしないわけにはいかない。絶えず何が求められるかを検討し続けることは大事だ」と述べた。(山口哲人)
【評伝】元東京女子大教授・池明観さん死去 「T・K生」の筆名で韓国の軍事独裁を告発:東京新聞 TOKYO Web
インタビューに答える池明観さん=2019年1月、ソウル郊外で(境田未緒撮影)
【ソウル=木下大資】軍事独裁下の韓国で民主化運動が弾圧される実態を「T・K生」のペンネームで日本に伝えた元東京女子大教授の池明観(チミョングァン)さんが1日、持病のためソウル近郊の病院で死去した。97歳だった。
現在の北朝鮮平安北道(ピョンアンプクト)生まれ。ソウル大大学院で宗教哲学を専攻し、軍事政権の弾圧を逃れて1972年日本へ渡った。東京女子大で教壇に立つ傍ら、韓国の民主化運動を支援。岩波書店の月刊誌「世界」にT・K生の名で73~88年に「韓国からの通信」を連載した。キリスト教関係者らが持ち出した資料などを基に執筆した連載は、軍が多数の市民を殺傷した80年の光州事件を批判するなど、韓国の実像を海外に知らせる役割を果たした。
93年に韓国に帰国し、翰林(ハルリム)大教授、韓日文化交流政策諮問委員長などを歴任。金大中(キムデジュン)政権の対日政策ブレーンを務め、日本大衆文化の国内開放に尽力した。
T・K生の正体は当時の韓国の情報機関もつかめなかったが、2003年に本人が韓国紙のインタビューで明らかにした。
◇ ◇
◆「市民の力」信じ、日韓関係改善に心砕く
池明観さんを訪ねたのは2019年1月。前年10月に韓国最高裁が日本企業に元徴用工への賠償を命じ、日韓関係が極度に悪化した時期だった。打開策を尋ねると、流ちょうな日本語で「日韓の文化関係を政治から独立させないといけない」と返ってきた。
3時間に及んだインタビューの中で、池さんが何度も強調したのが「市民の力」だった。
「T・K生」として軍事政権の人権抑圧や民主化運動の姿を世界に伝え続けた15年間、執筆を支えたのは日韓を中心とするキリスト教関係者や雑誌編集者、学者たちだった。金大中政権で日本大衆文化の開放を進めた際は、韓国内で「文化で再び日本に侵略される」との懸念も強かったが、相互の文化交流が進んだ結果、日本では韓流ブームが起きた。
それらの経験が「市民の力」への信頼を生み出したように思えた。一方で、日韓関係を悪化させるばかりの両国政治家たちに対する批判は厳しかった。
取材を終えて後日に再会した時も、韓国の知人から伝え聞いた近況でも、池さんはずっと日韓関係を気にかけていた。コロナ禍で人の往来さえ途絶えてしまった中、日韓関係に改善の兆しが見えないまま旅立たれたことが悔しい。(元ソウル支局長・境田未緒)
中国「政治問題化」と反発 女子テニス大会見合わせ:東京新聞 TOKYO Web
記者会見する中国外務省の汪文斌副報道局長=2日、北京(共同)
中国の元副首相に性的関係を強要されたと告白した同国の女子テニス選手、彭帥さんの問題を巡り、女子テニス協会(WTA)が中国での大会開催見合わせを決めたことを受け、中国外務省の汪文斌副報道局長は2日の記者会見で「スポーツの政治問題化に断固反対する」と述べ反発した。一方、日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長は、東京都内で「正しい判断だと思う」とWTAを支持する考えを示した。
問題の存在自体を認めていない中国の習近平指導部は、WTAの厳しい姿勢が来年2月の北京冬季五輪に影響しかねないと警戒を強めているとみられる。
太田さん、初の女性柏市長 「市民に寄り添う政治を」:東京新聞 TOKYO Web
当選し支援者の祝福に涙ぐむ太田和美さん
任期満了に伴う柏市長選は三十一日に投票があり、開票の結果、無所属新人で元衆院議員の太田和美さん(42)が、いずれも無所属新人で元県議の中沢裕隆さん(51)、元市議の山下洋輔さん(43)、元市議の村田章吾さん(42)を破り初当選した。当選証書授与式は一日、市役所で行われた。
衆院選と同日選となり、太田さんの当選が確実となったのは日付が変わった一日午前三時前。支援者の拍手に迎えられて事務所に現れた太田さんは開口一番、「非常に大きな責任感を持って新たなスタートを切る。まずは冬場に向けて(新型コロナウイルスの)感染拡大を最小限に抑えるため、医療提供体制を再構築したい」と力を込めた。
立民、共産、れいわ、市民ネットワーク・かしわなどの支持を受けた太田さんは、事実上の「野党統一候補」として戦い、市政の刷新と転換を訴えた。一方で「女性市長で輝く柏へ!」をキャッチフレーズに、「子育てしやすいまち」を重点公約に掲げた。市初の女性市長となり、「市民に寄り添い、きめ細かな政治をしたい」と抱負を述べた。
退任する秋山浩保市長から後継指名を受けた中沢さんは、自民の県議、市議、公明市議らが応援したが、及ばなかった。草の根の選挙戦を展開した山下さん、医療福祉のプロとして感染症対策を掲げた村田さんも票を伸ばせなかった。当日有権者数は三十五万一千五百七十三人。投票率は54・43%で、同じく衆院選と同日選となった前回の49・14%を上回った。(牧田幸夫)
◇確定得票
当 60,807 太田和美 無 新<1>
55,897 中沢裕隆 無 新
43,834 山下洋輔 無 新
23,454 村田章吾 無 新
岸田政権発足の国会前では 市民ら訴え:東京新聞 TOKYO Web
自民党の岸田文雄総裁が新首相に就任した4日、東京・永田町の国会周辺で、次期衆院選での政権交代を目指す市民や野党議員の集会があった。市民約300人(主催者発表)が集まり、立憲民主、共産、社民の三党の国会議員ら約30人とともに「政権交代で政治を変えよう」などと訴えた
国会周辺で政権交代を訴える市民ら=2021年10月4日、東京・永田町
衆院本会議で第100代首相に指名され、起立する自民党の岸田総裁=2021年10月4日、国会(戸田泰雅撮影)