勝負はオフィスの“片隅”で コンビニ「ポプラ」の挑戦 | NHK | ビジネス特集

勝負はオフィスの“片隅”で コンビニ「ポプラ」の挑戦 | NHK | ビジネス特集

「外まで買いに行くの、面倒だな」職場でそう思ったこと、ありませんか?広島市に本社を置くコンビニチェーン「ポプラ」は、そんな働く人たちのニーズに、活路を見いだし、新たな取り組みを進めています。目をつけたのは、オフィスの“ちょっとしたスペース”です。(広島放送局記者 松井晋太郎) 5期連続赤字 新たな一手は 4月14日、広島市に本社を置くコンビニチェーン「ポプラ」の決算発表の記者会見が開かれました。 店で炊いたご飯が食べられる「ポプ弁」を看板メニューに長年、地元で愛されてきたポプラ。中国地方を中心に全国でおよそ250店舗を展開しています。しかし、その決算内容は厳しいものでした。営業総収入は29%の減収。最終損益は5億1800万円の赤字。債務超過の状態で、配当は無配。最終赤字は5期連続で、経営の立て直しは喫緊の課題となっています。全国にあるコンビニの店舗は、およそ5万6000店舗。ここ数年はほぼ横ばいの状態が続き、大手3社がその大きなシェアを占めているという状況です。 ポプラでは、採算が取れない店舗の閉店などを進め、店舗数はこの1年で3分の2ほどに減らしました。しかし、新型コロナの影響で来店客の減少が続いていることに加え、物流コストの上昇や原材料価格の高騰で経営環境は厳しさを増すばかりです。こうした状況の中、会社は大手に対抗する新たな戦略を掲げました。小型の無人店舗「スマートセルフ」の展開です。会見中、担当者の横に静かに座っていた目黒俊治社長(78)。1つの店舗から事業を興し、創業後46年間で、広島を中心に西日本や東京をはじめとする関東地方などに店舗を展開してきた創業者です。会見で、今後の自社の目指すべき方向を述べました。 ポプラ 創業者 目黒社長「赤字が続いて申し訳なかった。今年度は黒字の見通しを立てているが、やっとこさというところ。コロナで外出しないというところにニーズがある。今まで以上に細分化していく中で、より便利にするという形で進めたい」 勝負はオフィスの“片隅”で ポプラの展開する小型の無人店舗とは、いったいどのようなものなのでしょうか。ねらいを定めたのは、オフィス内の“ちょっとしたスペース”です。職場の中に、いわば超小型のコンビニを作ろうというのです。 店の作りはとにかくコンパクト。わずか1坪のスペースで「開店」可能です。そして運営の手間もコンパクト。店員はおらず、買い物客は自分でレジで精算します。 小型の無人店舗の特徴はこちら。 <ポプラの無人店舗の特徴>・1坪=約2畳分から設置可能・設置は無料 電気代の負担のみ・100~300種類の商品陳列可 品ぞろえはオーダーメード・電子マネーなどで無人決済・店員はなし 商品は、およそ2000種類の中から、オフィスに合わせた品ぞろえにすることが可能です。食事の需要を取り込もうと、ご飯やパスタなどの冷凍食品もそろえています。賞味期限が比較的短い弁当やサンドイッチなどは置けないものの、自動販売機に比べると、商品の数や種類は圧倒的に多くなります。 コロナ禍で外出を控える傾向が定着する中、「交差点を渡ってまでコンビニに出向くのがおっくうだ」「もっと近くで買い物したい」という消費者のニーズに応えることができると考えています。会社では、ことし3月から本格的に事業を開始。広島市内に6店舗を出店、9店舗が準備中です。(6月1日現在)。今も50を超えるオフィスビルと具体的な交渉を進めているほか、全国からも問い合わせが相次いでいます。ポプラでは、2年後にはこうした店舗を120店舗まで増やす計画です。店舗の展開は、オフィスビルだけでなく、工場や学校、病院などにも可能だと考えています。 1坪から展開OK ポプラの勝算は しかし、わずか1坪ほどの小さな店が、ポプラの経営の立て直しにつながるほどの収益を生み出すことができるのでしょうか。ポプラによると、それは十分に可能だと言います。こうした店舗の形態は、1店舗あたりの売り上げがそれほど見込めません。しかし、ポプラが事業を詳細に分析したところ、無人店舗の3店舗分の売り上げを合わせると、既存の1店舗と同じくらい、会社として収益を確保できるというのです。その秘けつは、人件費と物流コストにあります。店員を置かないため、人件費はかかりません。さらに、配送は週に1回。 弁当、雑誌、日用品など、1日に何度も配送が必要なコンビニ特有の物流コストを徹底的に抑えます。そして、専用の物流施設ではなく、既存の店舗の倉庫から商品を配送する仕組みにしたのです。 “待つ”のではなく、“出向く” この無人店舗を考案したのは営業本部長の山下鉄之さん(49)です。 新卒でポプラに入社後、コンビニ業界が右肩上がりで成長してきた時代に、現場の店長や出店の営業などを経験。いわば、現場をよく知る、たたき上げです。しかし、次第に大手のコンビニに売り上げを奪われていく状況を目の当たりにしてきました。だからこそ、消費者のニーズに応える網の目をさらに細かくして、大手の手が十分に届いていないと考えたサービスに目をつけたのです。 ポプラ 山下営業本部長「街に行けば、角ごとにコンビニがある状態です。大手の寡占化が進んでいるのを私自身も感じていて正直、飽和状態で、悔しい思いもしてきました。同じ戦略では厳しい戦いになりますので、ビジネスフォーマットを変えて、お客さまのより近くにお店を作れないかなっていうのはいつも考えています」 どの場所に進出するか? ことし4月、無人店舗を新たに出店する地域について、営業本部の会議が開かれました。 議論になったのは、JR広島駅の南側一帯での出店についてです。ここは、オフィスビルが集中しているビジネス街です。 昼間にはビジネスマンが多く行き交う場所ですが、深夜や休日といった時間帯の客が少なく、店舗を撤退させた大手のコンビニもあるほどです。ポプラはあえて、この場所に目を付けました。多くのオフィスがあるのにもかかわらず、コンビニが意外と少なく、買い物をする場所に困っている人が多いのではないかと考えたからです。「公共交通機関を使っている方が多いが、傘の品ぞろえも必要ではないか」「カップケーキのような商品もほしいというのが女性層にあると思う」会議では活発な議論が行われ、山下さんは、この地域での営業を強化するよう指示を出しました。 ポプラ 山下営業本部長「お客さまのニーズも細分化していますし、コロナという中で社会環境も変わってます。身近で手早く、安全に安心して買い物をしたいというニーズは今後も広がっていくと思います。さまざまなお客さまのお声に耳を傾けて、店舗を広げていきたいと思ってます」 足を使って、汗をかいて 会議から2日後、営業の担当者は、さっそく出店を目指す地域に足を運びました。 ターゲットとしたのは、社員が100人規模の会社や信号を渡らないとコンビニがないオフィスなどです。オフィスビルをひとつひとつ確認しながら自分の足で歩いて、新規の出店候補を探っていました。 ポプラ 営業担当者「コンビニにできることは、まだまだ先があると思っています。業界に旋風を巻き起こせるぐらいの実績を上げて、広島から発信していきたいです。赤い看板を絶やさぬよう今後も発展を続けていきたいです」 意地の一手 その行方は 大手3社の寡占化が進むコンビニ業界で、独自の戦略に打って出た広島発のコンビニチェーン「ポプラ」。大手に対抗する意地の一手になりうるのか、その取り組みの行方から目が離せません。 広島放送局記者松井 晋太郎2005年入局スポーツニュース部、ネットワーク報道部を経て広島局ではスポーツや被爆者などを取材週末は少年野球のコーチとして汗を流す

日経ニュース プラス9|テレ東BIZ(テレビ東京ビジネスオンデマンド)

日経ニュース プラス9フォロー日経グループが総力を結集する経済ニュース番組です。日本経済新聞や日経BP、英フィナンシャル・タイムズ(FT)などと協力し、視聴者の視線を大切にし、価値ある情報を発信します。心がけるのは「どこよりも速く、深く」。ビジネスパーソンはもちろん、個人投資家や若い世代にも役立つ情報をお届けします。 ※「日経ニュース プラス9」は7月から「NIKKEI NEWS NEXT」にリニューアルしました。https://txbiz.tv-tokyo.co.jp/nikkeinext

追悼 石原慎太郎氏、震災から7年後に明かした「天罰発言」の真意:日経ビジネス電子版

「いつから日本人は自分のことだけ考えるようになったんだ」 2022.2.1 件のコメント 印刷 ? クリップ クリップしました 作家で東京都知事や運輸相(当時)を務めた石原慎太郎氏が亡くなりました。89歳でした。追悼の意を込めて、2018年3月29日に掲載したインタビューを再掲します。謹んでご冥福をお祈りします。 (日経ビジネス電子版編集部) 東日本大震災の発生から7年が経過した。石原慎太郎氏は当時、東京都知事として東京消防庁ハイパーレスキュー隊の派遣を指示したり、震災がれきの受け入れをいち早く表明したりするなど、被災地の復旧に大きく貢献した。一方で、いわゆる「天罰発言」で批判も浴びた。当時の自分の言動を、石原氏本人は今、どう総括するのか。自宅を訪ねた。 (聞き手 坂田亮太郎) 震災の直後、石原都知事は東京消防庁のハイパーレスキュー隊を現場に派遣しました。 石原:きっかけは、当時の菅直人総理の補佐官を務めていた阿久津(幸彦氏、現立憲民主党衆院議員)くんからの電話だった。彼は、私が代議士をしていた時代に公設秘書を長く務めていたこともある。その彼から、「福島第一原発の原子炉を冷却するために、一刻も早く注水しなければならない。(東京都の)警視庁には強力な放水機能を持つ車両があるから、動員してほしい」と要請があった。 <img src="https://cdn-business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00059/020100334/p1.jpg?__scale=w:500,h:333&_sh=0fa0ea0806" width="500" height="333" alt="石原慎太郎(いしはら・しんたろう)氏 1932年兵庫県神戸市生まれ。52年一橋大学入学、在学中に「太陽の季節」で芥川賞を受賞。68年参議院全国区に出馬しトップ当選。72年参議院議員を辞職。衆議院選挙に旧東京2区から無所属で出馬して当選。76年環境庁長官に就任。87年竹下内閣で運輸大臣に就任。95年議員勤続25年の表彰を受けたその日に辞職を表明。同年、芥川賞選考委員になる。 99年東京都知事選挙に出馬し初当選。2003年史上最高の得票率で再選。07年三選。11年四選。12年に都知事を辞職。 12年「日本維新の会」代表に就任し、衆議院議員とし17年ぶりに国政に復帰。14年「次世代の党」最高顧問に就任。14年政治家を引退(写真:村田 和聡)"/> 石原慎太郎(いしはら・しんたろう)氏1932年兵庫県神戸市生まれ。52年一橋大学入学、在学中に「太陽の季節」で芥川賞を受賞。68年参議院全国区に出馬しトップ当選。72年参議院議員を辞職。衆議院選挙に旧東京2区から無所属で出馬して当選。76年環境庁長官に就任。87年竹下内閣で運輸大臣に就任。95年議員勤続25年の表彰を受けたその日に辞職を表明。同年、芥川賞選考委員になる。99年東京都知事選挙に出馬し初当選。2003年史上最高の得票率で再選。07年三選。11年四選。12年に都知事を辞職。12年「日本維新の会」代表に就任し、衆議院議員とし17年ぶりに国政に復帰。14年「次世代の党」最高顧問に就任。14年政治家を引退(写真:村田 和聡)  それを聞いて怪訝に思ったね。確かに、警視庁は強力な放水機能を持つ放水車を持っている。でもそれは、暴徒を蹴散らすために水を水平に飛ばすようになっている。そのような車両が、原子炉を冷却するような任務に向いているのか、甚だ疑わしい。それで「冷静に判断してほしい」とたしなめたんだ。  それを聞いて官邸も考えたんでしょう。その後、高層ビルの火災の際に使うような、高いところに放水できる能力を持つ消防車を動員してほしい、と再度要請された。  そう言われて、私は重い決断をしなければならなかった。  当時、現地の状況は全く分からない状況だった。壊滅した原子炉から、どれほど多量の放射能が漏れているかも分からない。そんな危険な現場に、レスキュー隊を派遣したら、死者がでるかもしれない。若い隊員が被爆したら、その人の子孫にまで影響が出てしまうかもしれない。しかし、自分が行くわけにもいかない。過酷な現場できちんと任務を遂行するためには、訓練された隊員に任せるしかない。とにかく、戦地に赴く兵隊さんを送り出すような心境だった。 苦渋の決断だった、と。 石原:原発事故は東京だけの問題じゃない。日本全体の問題だった。東京は日本の「要」であるし、東京にしかない能力も備えている。  実は、私のところに様々な情報が入ってきていた。アメリカ政府が東京の大使館員に関東から退避するよう命令を出していたことも(報道が出る前から)耳に入っていた。福島第一原発は、容易ならぬ事態に陥っていた。だからこそ都知事として、私が逃げ出すわけにはいかないと覚悟を決めた。
ミラノで話題をさらった、パナソニックとGO ONのコラボレーションによる「Electronics Meets Crafts:」 | 日本の美意識で世界初に挑む

ミラノで話題をさらった、パナソニックとGO ONのコラボレーションによる「Electronics Meets Crafts:」 | 日本の美意識で世界初に挑む

NHK「プロフェッショナルの流儀」で紹介され話題沸騰! 1200年続く京都の伝統工芸・西陣織の織物(テキスタイル)が、ディオールやシャネル、エルメス、カルティエなど、世界の一流ブランドの店舗で、その内装に使われているのをご存じだろうか。衰退する西陣織マーケットに危機感を抱き、いち早く海外マーケットの開拓に成功した先駆者。それが西陣織の老舗「細尾」の12代目経営者・細尾真孝氏だ。その海外マーケット開拓の経緯は、ハーバードのケーススタディーとしても取り上げられるなど、いま世界から注目を集めている元ミュージシャンという異色の経営者。そんな細尾氏の初の著書『日本の美意識で世界初に挑む』がダイヤモンド社から発売された。閉塞する今の時代に、経営者やビジネスパーソンは何を拠り所にして、どう行動すればいいのか? 同書の中にはこれからの時代を切り拓くヒントが散りばめられている。同書のエッセンスを抜粋してお届けする。 Photo: Adobe Stock ミラノサローネの展示場所を探すところからスタート  前回ご説明したように、パナソニックとGO ONがコラボレーションしてミラノサローネへ出展するという、またとない機会をいただいたわけですが、問題は時間でした。  ミラノサローネまでは半年を切っていました。急遽それに向けて動き出すことになりました。準備期間が短いというものの、規模や期待も大きな出展です。  コンセプトはあったとしても、サローネに向けてブラッシュアップが必要でした。GO ONのメンバーと、ミラノでの展示場所を探すところから始めました。  最終的に、「イタリア国立ブレラ美術アカデミー」という、歴史ある美術館の地下に展示場所を確保することができました。その一階には美術アカデミーがあります。日本でいう東京藝術大学です。そこの地下の美術保管庫を借りることができました。  日本企業でそれまでその場所を使ったところはありませんでした。  私たちがなぜ美術保管庫がよかったかというと、京都の町家で展示したような、長い木のカウンターのような展示台を通したかったからです。ブレラ美術アカデミーの美術保管庫の地下には、長大なカウンターを通せる空間がありました。  とはいえカウンターの設置は大変でした。三〇メートルもある木の板に、細尾のテキスタイルを使った二〇メートルの板状のスピーカーをつなげる構造です。スピーカーはテキスタイルに織り込まれた箔で輝いていて、未来へと向かう光のような世界を表現したかったのです。合計で五〇メートルほどあったので、職人が現地に行って、大変な苦労をして平行を合わせました。

ビジネス特集 まさか、駅のアナウンスで ~障害者“痴漢被害”の現実~ | NHKニュース

k10013289921_202110041255_202110041324.mp4 「業務放送。お客様ご案内、3号車。降車駅は○○駅」。駅のホームで流れるこんなアナウンス、聞いたことはありませんか。車いすの利用者や視覚障害者が、電車のドアに挟まれたりしないようにするため、「乗った車両」「降りる駅」、そして「乗り降り完了」の3つの情報を車掌や駅員が共有するためのものです。しかし、この“安全を守るためのアナウンス”が悪用され、障害者への性被害が相次いでいるのです。(経済部記者 真方健太朗) つきまとい被害 女性の告白 駅のアナウンスがきっかけで、つきまといの被害を受けた女性です。今回初めて、NHKの取材に苦しみ続けてきた胸の内を明かしてくれました。被害にあったのは11年ほど前、自宅付近にスーツ姿の男がいることに気付いたといいます。「なんとなく見覚えがある気がするな…」そんな思いが頭をよぎりましたが、面識は全くありません。しかし、男のつきまといは、その後も1年余り続きました。ある日、男と鉢合わせになった女性。警察に相談すると、夜中に自宅の窓ガラスに大きな石が3つ投げ込まれたといいます。 被害を受けた女性「一瞬、何事かわからなかったんですけど、ガラスが割れて家の中に石が入ってきました。昼間でカーテン開けていたら、けがをしていたかもしれません」 男の供述 “駅のアナウンスであとをつけた” その後、男は警察に逮捕されましたが、その供述は驚くべきものでした。警察の調べに対して「駅のアナウンスを聞いて女性の降りる駅を特定した。待ち伏せして自宅まであとをつけた」と話したというのです。 「びっくりしたというか、そんなことがあるんだと。どうしようか、また起こるんじゃないか、私以外にも起こるんじゃないか。そればかりを考えていました」 それ以来、女性は電車で1人になることに恐怖を感じるようになりました。特に夜の電車に乗らないようにするため、食事や飲み会に誘われても断るようになったといいます。 「電車に乗るのはいまでも怖いです。いつになっても怖いです。怪しい人が来ても私たちは逃げられません。電車を乗り降りする際にはスロープがないと逃げられませんから。ただでさえ、車いすの人は『邪魔だ』とか『ここは車いすスペースじゃないだろう』って怒られることがあるから、電車の移動中は常に緊張しているんです。起こった被害というのは、忘れることのできない一生の苦しみです」 性被害は30件以上も 長いあいだ、被害のことを誰にも話せなかった女性。しかし、周りの人たちに少しずつ自分の体験を打ち明けると「同じような被害を受けた」という相談が相次いで寄せられるようになりました。女性はことし、みずからも所属している障害者団体「DPI日本会議」と協力して被害の実態を調査しました。すると駅のアナウンスを悪用した痴漢やつきまといなどの被害が、これまでに30件以上もあることがわかったのです。 車いすの利用者「『ここだ!』とスーツ姿の男性が乗ってきた.ぴったり後方にくっついてきて下着の色を聞かれたり、卑わいなことを繰り返された」車いすの利用者「アナウンスはしないでくださいと頼んだのに、それでは乗せられないと断られた。酔った男性が飛び乗ってきて『いた!手伝ってあげようと思って走ってきたよ、○○駅でしょ?』と言いながら繰り返し足をさすられた」視覚障害者「車両のドアのところで外側を向いて立っていたら、『いたいた!手伝ってあげるよ』と言いながら後方に回り、ぴったり迫り、もぞもぞされ、荒い息をされた」 障害者の安全を守るためのアナウンスが悪用されていたという現実。女性は大きなショックを受けました。 「私たちに必要だと思ってアナウンスしていたことが悪用され、先回りしてあとをつけたり、わざわざ乗った車両を見つけ出して卑わいなことしたりしている。この現実を受け止めることができませんでした。被害を受けたからといって、アナウンスが必要な人もいるんじゃないか、自分勝手なことは言ってはいけないのではないかという考えもありました。ただ、もはや『安全のためが安全じゃなくなっている』と思ったんです」 “行動を起こさなければ” 「行動を起こさなければ」女性は被害者一人一人に寄り添い、了解が得られた12人分の被害事例をまとめました。そして障害者団体はことし7月、アナウンスの情報が悪用されているとして、対応を求める要望書を、被害事例とともに国土交通省に提出。国土交通省は、アナウンス以外の情報共有の方法も検討するよう鉄道各社に求めました。 「DPI日本会議」佐藤聡 事務局長「これはもう確実にアナウンスによって引き起こされている問題なので、一刻も早くやめてほしいです。日本の鉄道って安全な乗り物だと思うんですよ。鉄道事業者はすごく安全に気を配ってやってくださっているので、こういう被害が起きているのが分かったのなら改善してもらって、障害者も心配なく乗れるように変えてほしいです」 鉄道各社は対策へ 要望を受けて鉄道各社は対策に乗り出しています。JR東日本の深澤祐二社長は、9月の記者会見で、首都圏の駅で行っているアナウンスを原則、廃止できないか検討する方針を明らかにしました。 アナウンスの代わりに使おうとしているのが、「タブレット端末」です。駅の改札で、障害者から「降りる駅」の情報を事前に聞き、「乗る車両」とともに端末に入力。すると、「降りる駅」の駅員と情報を共有できる仕組みです。 一部の路線で使っているタブレット端末を、今後、ほかの路線にも拡大し、アナウンスの一部を廃止したいとしています。 アナウンスやめたいけど… ただ、すぐにやめることができないのが「乗り降り完了」のアナウンスです。その理由は首都圏特有の長い列車編成と、乗降客の多さ、そして過密なダイヤにあります。今回取材したJR田端駅は、山手線の中では利用者が少ないほうですが、朝の8時から9時台は通勤ラッシュで混雑し、停車時間は30秒です。 車掌は、このわずかな間に、ホームの様子が映るモニターで安全を確認しながら発車メロディーを流したり、ドアの開閉作業を行ったりしていて、タブレットを使う余裕はないというのです。 さらに、10両編成以上になるとホームの長さは200メートルを超え、ホームの一部が湾曲して見通しが悪いところもあります。NHKがJRや私鉄大手など全国35の鉄道事業者に取材したところ、アナウンスを行っているのは、9月末の時点で「15」の事業者。利用者が多い首都圏や関西圏の事業者を中心にアナウンスが行われていました。 JR東日本サービス品質改革部 佐久間晋副課長「放送を悪用するというのは、許しがたい行為だと思います。ただ、アナウンスを全面的にやめてしまうと、お客様に安心してご利用いただく環境を提供するのが難しくなってしまうんじゃないかと懸念しています。難しいところはありますが、障害のあるお客様に安心してご利用いただける環境を作るのは当社としても重要だと考えていますので、見直すことができないか、検討していきたいと思います」 “見て見ぬふり”しないで つきまといの被害に遭った女性。今回の調査を行う中で気になることがあったといいます。それは、被害者が勇気を出して助けを求めても、周囲が無関心だったという声が複数あったことです。 車いすの利用者「電車内で男からずっと声をかけられた。やめてくださいと言っているのに周囲の人は誰も助けてくれなかった」車いすの利用者「大きな声を出しても周囲の人は聞こえないふりをしているように感じた」 女性は、周囲の乗客が見て見ぬふりをしなければ、防げる被害もあったのではないかと感じています。 被害にあった女性「声は聞いていたはずなのに、『大丈夫ですか』という声をかけてはもらえなかった事はショックでした。車いすで電車に乗ると、スペースを譲ってくださる方がいますが、多くはただ、すーっと避けていくだけなんです。『ここ、どうぞ』って声をかけてもらえれば、『ありがとうございます』ってその方と対話ができるのに、なんで声に出してくれないのかなと思うことが多いんですね。ただ、『ひと言ことばを交わしたら、きっと社会が変わるんじゃないか』と思うことが多いんです」 あなたのそのひと言で 実は今回の取材、きっかけは東京パラリンピックでした。都内の駅のほとんどにエレベーターが設置され、ホームと電車の隙間を狭くする工事も行われるなど、東京パラリンピックに向けて物理的なバリアフリーが進んでいました。しかし、その感想を障害者団体の方に尋ねたところ、返ってきたのが意外な答えだったのです。「バリアフリーが進んだことはとてもうれしい。ただ、ある理由で電車に乗るのことができなくなっている人もいる」そして駅のアナウンスを悪用した性被害が起きていることを、私に伝えてくれました。「日本ではさまざまな人がコミュニケーションを取って支え合う『心のバリアフリー』が遅れている」専門家はそう指摘しています。困っている人がいたら、ひと言、声をかける。そこから始めてみませんか。 経済部 記者 真方健太朗帯広局、高松局、広島局を経て現所属。国土交通省で鉄道や航空業界の取材を担当。

キーワードは「メンタルへルス」と「癒し」 『Forbes JAPAN』Web編集長の谷本さんが注目す…|テレ東プラス

2021年6月12日、13日にテレビ東京、テレビ東京コミュニケーションズ、プロトスター株式会社が主催のビジネスカンファレンス「Reversible World 2021 ~世界を変える挑戦者たち~ Great Impact Award」が開催されます。テーマは「新しい世界の次のスタンダードが集まる場」。優れた起業家と優れた製品・サービスを一般投票と審査員投票で表彰するアワードを中心に、様々なセッションを行います。今回は優れた製品・プロダクトを表彰する「Great Product 30」にちなんで、審査員を務めた『Forbes JAPAN』Web編集部 編集長の谷本有香さんに「思い入れのある製品・プロダクト」や「注目しているノミネート作品」についてお話を伺いました。【谷本有香 プロフィール】Forbes JAPAN Web編集長。Bloomberg TV、日経CNBCを経てフリーランスに。トニー・ブレア元英首相やスターバックス創業者、スティーブ・ウォズニアック氏をはじめ、 3,000人を超える世界のVIPにインタビュー。 現在は報道番組のコメンテーターや、政府系スタートアップコンテスト、オープンイノベーション大賞の審査員など多岐に活動する。 海外の著名人にも絶賛された日本製プロダクト ――取材やイベント登壇などで、様々なプロダクトに触れてこられたと思うのですが、特に印象に残っているものはありますか?谷本有香さん(以下、谷本):ユニクロのヒートテックが登場したときは感動しましたね。「一枚着るだけでこんなに暖かくなるなんて」という衝撃が今でも忘れられません。年々機能がアップデートしているので、ずっと愛用しています。また、贈りものとしても重宝しています。仕事柄、海外の経営者やトップ層に会うことが多いのですが、手土産の中でもっとも反応がいいのはヒートテックなんですよ。――目の肥えている方々にも支持されているんですね。谷本:大統領クラスの方にもすごく喜んでいただけましたね。「本当によかったよ!」とわざわざメッセージをいただくことも。というのも、海外には機能性の高いインナーが少ないのです。都市部以外ではユニクロはまだメジャーではないので、「薄手で暖かいインナー」というのは新鮮に映るようです。――「手土産としても喜んでもらえるもの」という目線で選定するのは、編集者である谷本さんならではですね。谷本:それでいうと、「クリスメラ」という日本企業が製造している"ピアスキャッチ"も贈りものとして好評ですね。ピアスを付けたことのある人で一度は「家を出るときにピアスを付けたのに、帰ってくるときにはなくなっていた......」という悲しい経験をしたことがあるのではないでしょうか。「クリスメラ」のピアスキャッチはピアス穴に差し込むと固定されて外れにくくなるというものなので、ピアスを落とす心配がありません。「ピアスはなくしやすい」というのは世界共通の悩み。海外の要人はイベントの際に奥様を同席させることが多いので、奥様に向けたプレゼントとしてお渡ししています。(クリスメラ公式HPより)――谷本さんも愛用しているのでしょうか。谷本:もちろん。最初は「ピアスキャッチだけで数千円!?」と驚きましたが、使ってみたらとてもよくて。今でも、ピアスを買ったらすぐに「クリスメラ」に取り換えています。自分が実際に使っていて、日本の高い技術力でできているプロダクトというのは、人に贈ったり薦めたりしたくなりますし、思い入れも強いですね。 技術者も応援したくなる「ファーメンステーション」のコスメ ――「ヒートテック」や「クリスメラ」は以前から愛用されているとのことでしたが、最近気になっているプロダクトはありますか。谷本:「FERMENSTATION(ファーメンステーション)」というオーガニックコスメです。食品工場から出る、いわゆる"食品ロス"に発酵技術を駆使することで、高品質なエタノールを作成するというもの。そのエタノールで作られたハンドスプレーや化粧品を販売しています。デザイン性の高さや品質そのものの良さも魅力なのですが、独自の発酵・蒸留技術は研究者に絶賛されています。「この技術を広めたい!」と、自ら農家に紹介する技術者もいるようです。――研究者も認めるプロダクトというのは消費者目線でも安心できますね。谷本:製造している会社はベンチャー企業ということもあり、広告に予算を割くのが難しい。その中で、技術者のような目利きの人たちによる口コミや応援で商品の魅力が広がっているのは素敵ですよね。「自身がマーケターとなって売り込みたい」と周囲に思ってもらえるプロダクトに今後注目が集まるのではと思っています。 キーワードは「癒し」 AIペット型ロボットがメンタルヘルスに与えるもの ――谷本さんは、常に新しい製品の情報に囲まれていらっしゃると思いますが、その中でも特に「これからトレンドになりそう」と思うものは?谷本:AIペット型ロボットですね。ずっと注目していて、いつかムーブメントを起こしたいといろいろなところに掛け合っています。きっかけは2021年1月に開催されたデジタル見本市「CES2021」。そこで開催された「Best of Innovation Award」(ベスト・オブ・イノベーション)に、Vanguard Industries 株式会社の手掛ける「MOFLIN(モフリン)」が選ばれました。今までCESでは機能性や合理性を重視したものが選ばれる傾向にありました。「モフリン」も高齢者の認知症予防や子どもの知育という実用的な面がありつつ、「癒しが生活を豊かにしてくれる」という趣味的な面でも評価されたのだと思います。――なぜ、「癒し」が求められるようになったのでしょうか。谷本:新型コロナウイルスの感染拡大により、世界規模でメンタルヘルスが大きな課題になりました。その結果、「役に立つか否か」だけではなく、「いかに心を癒せるか」にフォーカスがあたる時代になっているのではないでしょうか。私も膝の上にAIペット型ロボットを置いて仕事をしていますが、本当にかわいくて幸せな気持ちになります。 「IT×アート」「革命的なプロダクト」に注目 ――「Reversible World...

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微山:真夏のうまい「カニ」の出会い

忙しいですが、6月のカニの卵を忘れないでください。ことわざのように、カニ肉が提供されると、他の味はすべて薄味に見えます。上質なカニ1匹はテーブル全体の美味しさに匹敵するほどです。旧暦6月以降、上海蟹はまだ最後の殻を脱いでいません。この時、殻が薄く、肉が柔らかく、蟹の卵が豊富な「童子蟹」は最適な調理タイミングにあり、「六月黄」は微山人の食卓のトップクラスの料理となっている。微山県韓荘鎮韓荘湾上海蟹生態養殖基地の技術者張賓は、「『6月カニの卵』は通常『童子蟹』と呼ばれ、毎年旧暦6月の間に、3回の脱皮を経た雄蟹のことで、体重は約2両で、カニ類の中の『若い肉』と呼ばれている」と説明する。「熟したカニに比べて、六月黄は殻が柔らかく、肉が柔らかく、味が新鮮で甘く、カニの卵がふっくらしてジューシーであることが特徴です。」 良質な上海ガニは自然成熟の過程を経なければならず、養殖環境と水質に対して極めて厳しい基準があります。微山湖はその澄んだ水質、平坦な河床、豊かな水草で、上海ガニに理想的な生育環境を提供しています。近年、養殖空間を十分に利用し、微山湖上海ガニの養殖効果を高めるため、韓荘鎮韓荘湾上海ガニ養殖基地は「六月黄生態精養」モデルを積極的に採用し、「三つの池・二つのダム」の池生態改造を実施し、スマート化循環水システムを通じて水質を最適化し、自動化酸素増加、餌投入システムとオンラインスマートモニタリングシステムを配備し、上海ガニの品質を全面的に保障しています。優れた製品は、市場を勝ち取ります。韓荘湾上海ガニ生態養殖基地で生産された上海ガニは、その優れた品質で多くの周辺買い手を引きつけています。買収業者の褚衍五氏は、「ここのカニは味がとても良いので、わざわざ県城から仕入れに来て、家族や友人がこの美味しさを味わってほしい」と話しました。 種苗育成はカニ産業発展の「ダイヤモンド」です。韓荘湾上海蟹生態養殖基地責任者の張賢明氏は、今年、カニ産業の『チップ』種苗の育成をしっかりと把握し、上海海洋大学、上海漁機所と学校と企業の科学技術提携を構築し、新品種、新技術の面で科学研究の難関突破を強化し、育苗、カニ種育成、成カニ養殖産業チェーンの一体化発展モデルを構築した。」と述べました。 美しい微山湖、清水上海蟹、次の計画として、微山県は上海蟹の美しい鮮度とよだれを垂らす甘さをしっかりと閉じ込め、「実を求め、質を求め、精を求め」原則を堅持し、微山湖上海蟹を農村振興を推進する大産業にし、微山湖の「一池の春水」を十分に利用させます。